渡辺明竜王A級に昇級へ -その2-
既述のように渡辺竜王が昇級を決めた一戦は、タイトルホルダー同士の対局に相応しく、手に汗握る素晴らしい大熱戦でした。可能なら渡辺竜王も深浦王位も、2人とも昇級させてあげたいぐらいです。お疲れ様でした。
昇級を決めての渡辺竜王ご自身の所感ですが、竜王のブログの関連投稿で興味深い記述が目に留まりました。
「今期のリーグ、7回戦で負けて5勝2敗になった時はダメかなと思いましたが、・・・」とあります。ご存じのようにB級1組は12回戦ありますので、5勝2敗と勝ち越していて「ダメかな」とはちょっと不思議な気もします。
ここからは私の勝手な推測ですが、7回戦を終えて後の対局予定の相手の顔ぶれは久保棋王、行方八段、深浦王位、と竜王にとってはどうも分の悪い苦手な相手ばかり。竜王と言えども人の子ですから、苦手な対戦相手を残して自信がなかったのかもしれませんね。
しかし目標とされていた昇級が果たせたのでまずは祝着至極。
最終戦を待たずに昇級を決めた要因をさらに勝手に推測させてもらうと、
1)滑り出しの対局を3連勝し波に乗れた。
2)竜王戦を4連勝し後半の順位戦の対応に比較的余裕があった。
3)これまで苦手としていた棋士の対局に勝った。
ということでしょうか。他にも色々ありそうですが、今期の竜王の対局の印象は、時間配分が的確、細かい攻めが途切れることなくつながる、終盤の寄せが正確、と内容が充実しているように思います。
もっとも順位戦はまだ終わった訳ではありません。他の棋戦もありますし、名人位挑戦を含めご活躍を期待してます。
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