7月26日放送のNHK杯テレビ将棋トーナメントは1回戦第17局。橋本崇載七段と宮田敦史五段の対局でした。宮田五段は予選からの勝ち上がり。橋本七段はNHK将棋講座の現講師でおなじみですが、成績優秀で予選免除とのこと。へぇ~、そうなんだ、と思わず感心。
今回の司会は矢内女王ではなく、以前書いたように千葉涼子女流三段。矢内さんの対局と同一収録によるためですね。千葉さんは以前司会者だったこともあり、実績を買われてのことでしょう。
解説は渡辺明竜王。ハキハキした会話で対局を盛り上げてくれます。番組中話題になっていましたが、NHK杯戦の場合は永世称号資格者は予選免除で本戦シードとなるんですね。またもや、渡辺竜王はご存じのように初代永世竜王資格者なので、ご本人曰く「ず~っと出ますよ。
」とのこと。
なるほどそうすると現役棋士なら、谷川九段(永世名人)、羽生4冠(永世6冠!)、佐藤九段(永世棋聖)、森内九段(永世名人)も該当者ですね。
閑話休題
両者の対戦成績は宮田五段の1勝0敗。思ったより少ない対戦でちょっと驚きます。
先手は宮田五段。先手が中飛車、後手は三間飛車の戦型でスタート。あらら、宮田五段って居飛車党じゃありませんでしたっけ? ちょっと予想外の戦型に竜王も苦笑いのようです。早指しのNHK敗戦、序盤は比較的スピーディに進むことが多いのですが、今回は違います。序盤からじっくり考えて駒を動かす宮田五段。かなりゆっくりした進行で、早くも先手は18手目で考慮時間に入りました。
なかなか本格的な戦いに入らない様子でしたが、40手目を過ぎて後手側が飛車先の歩を突いた辺りから、互いに桂馬を跳ねて駒を取り合う展開に。自陣がしっかりした後手が優勢なように見えます。58手目△3五歩に対して飛車の頭を押さえる▲4二歩。渡辺竜王「(先手にとって)夢のような展開です。」と随分盛り返した模様。73手目▲4五飛車と指したところで、「えっ、大丈夫なのかなぁ」と渡辺竜王。そう言えば宮田五段と竜王は同じ所司七段門下。同門つながりでしたね。
序盤から優勢に思われた後手ですが、△5七歩と打った辺りから先手が粘り発揮。105手目▲7一銀の王手から逆転模様に。
結局117手目で橋本七段の投了となりました。
いろいろ見所のある対局でしたが、印象に残ったのは対局者のキャラクターの違い。ポーカーフェイスでマイペースを保って淡々と指す宮田五段に対し、比較的感情を表情や仕草に出しながら指す橋本七段。好対照に思えました。
残念ながら感想戦の放送時間はありませんでしたが、終盤までは自信があった展開のせいか、橋本七段はかなり無念そうな様子に見えました。
勝った宮田五段の次の対戦相手は、鈴木大介八段ですね。
◇投了図。司会の千葉女流三段も指摘の▲7一銀から急転直下の結果に。
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