4月5日放送のNHK杯テレビ将棋トーナメントは、1回戦第1局。田村康介六段と髙崎一生四段の対局でした。年度替わりということで、今回からオープニングのNHK杯がアップで映る画面と初手の指し手が羽生NHK杯(四冠)に変わりましたね。
田村六段は早指しを得意とする棋士。一方、髙崎四段は総合成績優秀者ということで、予選免除の出場です。解説は髭でお馴染みの中川七段。黒く日焼けされていて、他の多くの棋士とは雰囲気がちょっと違うかもしれませんね。髙崎四段とは同門(米長永世棋聖)ということもあっての解説のようです。
前期までの中倉さんに換わった司会の矢内女王はNHK杯戦は今期初めての登場。さすがにタイトルホルダーで、手堅く落ち着いた印象ですね。最初に今期の出場棋士の紹介があったのですが、ご自分のことは「矢内女流」と言ってました。「私」とか言うかと思っていましたので、少々意外。
そう言えば渡辺竜王はいつ頃登場するのかなぁと思って、昨年のNHK杯戦を調べたら、Aブロックで9月21日の放送が最初の対局でした。今年も恐らく夏の終わりから初秋のころの放送に登場でしょうね。
さて今回の対局ですが、過去の対戦成績は髙崎四段の一勝。これから徐々に対戦が増えてゆくのでしょうか。
先手は髙崎四段。戦型は相振り飛車で両者とも三間飛車に。囲い方は矢倉崩れというか、力戦模様ですね。振り飛車というと素人の私はすぐ美濃囲いを連想しますが、流れで矢倉ということもあるんですね。
当然矢内さんの進行ぶりにも注目が集まりますが、次の予想手では「○○○では無理ですか?」と尋ねると、解説の中川さんが「あっ、それはありますね。」とか、「次は○○○はどうですか?」と尋ねて、「いや、これもありますね。(大盤で)やってみましょう。」という具合。よく気が付きますし、中川七段に負けずに手が見えているようでした。
序盤は角道を開けたまま進行した対局ですが、51手目でようやく角交換。中盤までは先手髙崎四段のペースだったように思います。しかし後手の田村六段は受けが強い。62手目の△3三桂では、中川七段が「一番強い手ですね。」と驚いていました。その後、自玉の囲いが剥がされた後、△4九角辺りから反転攻勢に。いや中川さんが言うように、確かにここからが強い。
90手目の△4七金以降では千日手になりかかった局面もありましたが、結局118手で髙崎四段の投了になりました。髙崎四段もよく粘りましたが、矢内さんも言うように△3三桂が好手になったようです。
ところで対局画面をふと見ると、田村六段の傍らにはタバコと灰皿が映っていたようです。NHKの収録スタジオって禁煙ではないのかな。今時、分煙もされていないというのは少々意外です。
矢内さんはタイトル保持者で女流棋士を代表する一人なのでお忙しそうですが、前期の中倉さん同様、手堅く分かり易い司会のように思いました。
◇投了図。中盤までは先手のペースだったが、後半は後手側が攻勢に出てそのまま寄せきる。△3三桂が好手だったとのこと。
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